歯が痛くなったら歯医者へ行く、というこれまでの歯医者のイメージが今だんだん変わってきつつあります。なぜなら、歯は悪くなってしまってから対処しても結局はその場しのぎに過ぎない、ということがわかってきたからです。また、最近では特に、お口の健康状態が体の健康状態に大きく関係していることがわかってきました。歯を積極的に健康に保って体まで健康になる予防治療、皆さんも始めてみませんか?
予防治療というのは、虫歯や歯周病に「かかる前」に対処し、虫歯や歯周病を予防していくことを目的とした治療のことを言います。日本人のほとんどが、「歯が痛くなった」「詰め物が取れた」「歯茎が腫れた」というようなトラブルが起きた後に歯医者にかかっています。
確かにこのようなトラブルが起きたら、早めに歯医者にかかることがとても大事です。でも予防治療の場合は、「トラブルを未然に防いでいく」という点で大きな違いがあります。このようなケアを続けていくことによって、一生健康でトラブルの起こらない歯を持ち続けることができるのです。
実際に、北欧の予防治療先進国であるスウェーデンでは、数十年ほど前までは、現在の日本と同じような状態で、多くの人が虫歯や歯周病で歯を失っていました。ところが国中で予防治療を積極的に推し進めた結果、現在では80代になっても健康な歯を多く保っている人の割合が非常に高く、平均残存歯が日本人の残存歯の倍くらいというデータが出ています。
歯は治療をしても元のような健康な状態に戻すことはできません。虫歯にしても歯周病にしても治療をして、その状態から悪化させないように「食い止める」ことがせいぜいです。しかも、食い止めたとしても、その時点からまた放置しておけば、虫歯や歯周病が再発し、その度に同じことを繰り返して、結局歯を失う方向に向かってしまいます。
また、虫歯や歯周病はよっぽど状態が悪化しないと症状を出さないこともよくあります。症状が出てから受診しても「手遅れ」という」状態になっていることも珍しくないのです。
歯を失ったとしても、インプラントのような歯を補う優れた治療法はあります。ですが、どんなにインプラントをうまく埋め込んだとしても、インプラントの周囲には、天然の歯のような「歯根膜」という組織がなく、骨と直接結合している状態なので、感染などに弱いというような欠点があります。結局どんなに素晴らしい人工物でも、天然の歯にはどうやってもかなわないのです。
予防治療というと「歯磨きをしっかりしてるから予防はバッチリ」と思っている人がいますが、実は虫歯や歯周病は、歯磨きだけでは防げないのをご存知ですか?もちろん家庭での歯磨きは毎日のことなので、一番大事であり、それなしでは虫歯や歯周病を防ぐことは不可能です。
でも、自分で行う歯磨きでは歯垢の60%程度くらいしか取れないことがわかっており、仮にデンタルフロスなどを併用したとしてもせいぜい90%くらいだと言われています。このように、どうしてもセルフケアには限界があるのです。
そこで必要になるのが、歯医者での「プロケア」です。アリオ北砂歯科では、歯を健康に保つプラスアルファのケアとして、次のような予防治療メニューを行なっています。
歯磨きをただ「やっているだけ」では、きちんと磨けていないこともあります。正しくポイントを押さえた磨き方ができるよう、プロが一人一人のお口の状態に合ったアドバイスをします。
普段の歯磨きで取り残した歯垢を、専用の器具や機会を使って、隅々まで丁寧に磨き取っていきます。終わった後は歯がツルツルになり、歯垢がつきにくい状態になって、虫歯や歯周病にかかりにくくなります。また、着色も取れるので歯が白くなる嬉しい効果もあります。
唾液検査は、唾液を採取して、お口の中の細菌の状態を調べ、お口のケアを行なっていく上での参考にします。
グルコセンサー は、噛む能力を調べる検査です。歯を補う治療をする際などに、治療前と治療後の噛む能力がどれほど改善したかという判定に使います。
ドライマウスの治療として、唾液腺をマッサージし、唾液の分泌を促します。また、歯茎のマッサージを行うことで、歯茎を健康にしていきます。
根本的歯周病治療とも呼ばれるもので、これまでの歯周病治療とは違い、歯周病の原因菌を根本からなくして歯周病を予防・治療していく治療法です。
ロイテリ菌(善玉乳酸菌)を積極的に摂取することで、お口の中の環境改善、そして体の健康改善につなげていく体に優しい健康療法です。
虫歯になりやすいお子さんの歯を健康に保っていきます。フッ素塗布やシーラントのような処置を主に行います。
池田会のイースト21デンタルオフィス 歯科衛生士 小林が「歯の磨き方をプロが伝授」で出演いたしました。